公開社会委員会2013 第

    「憲法96条がかえられるとどうなるのか」

                                        小荘八牧師(日本基督教団高石教会)

  さる6月30日、2013年度の第1回公開社会委員会として「憲法96条がかえられるとどうなるのか」と題し、小郝荘八牧師(日本基督教団高石教会)にお話をしていただいた。折しも7月21日の参議院議員選挙を控え、私たちの社会が進むべき方向を今あらためて考えなければならないという切迫感が漂う時期の企画だった。

 小郝牧師からはまず、改憲時の手続きを定めた憲法96条が変えられてしまうと改憲のハードルが大幅に下がり、結果として政権与党が望む方向へ改憲されてしまう危険性が高いという指摘をいただいた。実は安倍首相が前に首相をしていた時に国民投票法という法律が作られ、改憲時の国民投票の方法がすでに定められてしまっているとのことだった。改憲に向けた動きは。私たちの多くが気付くよりもずっと前から具体的に進められており、このように着々と道が整えられていることを知った。無関心でいると手遅れになってしまいかねないということの具体例を見た思いであった。

 続いて、現行の憲法と自民党の改憲草案を見比べながら、自民党の改憲草案がいかに問題に満ちているかをお聞きした。自民党改憲草案の特徴として、国民個人の基本的人権がないがしろにされており、あからさまに国家主義的、天皇主義的であることが分かった。改憲草案は復古的、すなわち近代憲法の原理である民主主義に背を向けて大日本帝国憲法(明治憲法)へ、もしくはそれ以前へ戻ろうとする姿勢だとのことだった。つまり、現行憲法は先の戦争のために直接的、間接的に殺し殺された1千万人以上の血の上に成り立っているという経緯を無視した暴挙であることが分かった。

 また改憲について語る時には、戦争責任と天皇制を私たちがどう考えるのかということが必ず問われるということも再確認した。ここ日本で「主の平和」を実現するために生きるキリスト者として、決して避けては通れない課題であろう。

 小郝牧師のお話の後、参加者からは活発に質問や意見、感想が出された。その熱気から、この集いを通じて私たち一人一人の心に「どうにかしなければ」という思いが生まれていることが感じられた。

 こうして小郝牧師と一緒に自民党改憲草案を見ていくことによって、当日のテーマである「憲法96条がかえられるとどうなるのか」を、ある程度まで私たちは理解することができた。最後に司会者がコメントしたように、キリスト者である私たちは何を大事にするのか?を根底から問われるテーマであった。

 この原稿を提出しようとしている現在(9月1日)は選挙で自民党が勝った後であり、被災地で苦しむ多くの人たちの声はいまだ政権にまともに聞かれておらず、原発からの高濃度放射能汚染水の流出問題にはまったく解決の方策が見えない。その一方で、政権は集団的自衛権の行使を声高に主張している。 96条はまだ変えられてはいないが「どうなるのか」はすでに明らかに見えてきている。私たちは何を大事にするのか。そのために私たちは何をしなければならないのか。信仰の仲間と共に考え、感じ、行動していきたい。

H.K

社 会 委 員 会
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2014年度 洛陽教会 第1回 公開社会委員会



「ドイツ脱原発の成果と課題」    


         お話: 木戸 衛一さん
              
    (大阪大学大学院准教授)


     日時:2014年11月30日(日) 午後1時 - 3時
     場所:日本基督教団 洛陽教会 地下ホール





  3.11による未曾有の福島原発事故を経てもなお、この日本の社会では原発を
  捨てることができていません。それどころか現在、政府は再稼働へ向けて着々と
  準備を進めています。
  かけがえのない命を損ない平和と安全を奪う原発がない社会を実現するために、
  私たちはどうすれば良いのでしょうか。
  このたび公開社会委員会では木戸 衛一さんをお迎えし、脱原発をめぐるドイツ
  の動きを参照しながらお話ししていただきます。
  なぜドイツでは福島原発事故の後「脱原発」を決定したのか。
  それから3年を経てドイツの「脱原発」は本当に進んでいるのか。
  そこから私たちは何を学び、力にしていくことができるのか。
  木戸さんのお話を通じて、共に考えるひと時を持ちましょう。





来聴歓迎 特に予約はいりません。教会へ直接お越しください



    きど えいいち さん プロフィール
     1957年生。東京外国語大学ドイツ語学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
     一橋大学助手などを経て現在、大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授。
     専門はドイツ現代政治、平和研究。 「憲法9条京都の会」世話人。


公開社会委員会2013 第2   「改憲問題の今を考える」



日時     2014年1月19日(日)午後1時  3時

場所     洛陽教会 地階ホール

内容     ミニシンポジウム「改憲問題の今を考える」

            片山建作兄「改憲手続きと国民投票法」

     上田正人兄「私たちにとっての憲法の価値とは」

    質疑応答・意見交換

主催     日本基督教団洛陽教会社会委員会